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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻4号

1983年04月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

大後頭孔周辺の腫瘍の手術

著者: 阿部弘1

所属機関: 1北海道大学脳神経外科

ページ範囲:P.353 - P.358

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I.はじめに
 大後頭孔周辺の腫瘍としては,硬膜内髄外腫瘍,特にmeningioma, neurinomaが多く,稀にepidermoid tu-mor, chordomaなどがある.一方,髄内腫瘍としてはastrocytoma, ependymomaなどのgliomaおよびhe-mangioblastomaなどがある,硬膜外腫瘍は稀で,metastatic tumor, sarcomaなどがある.
 大後頭孔周辺の腫瘍の定義としては,Castellano andRuggiero5)は腫瘍が大後頭孔縁に附着していたものといっているが,Cushing6),Arseni4),Guidetti9)らはより厳密に定義すべきとし,どちらかに主座を占めるにせよ,腫瘍が後頭蓋窩および脊椎管内の両方に存在するものをいうべきであるとも主張している.筆者も後者の定義がより妥当であると考える.Cushingはforamenmagnum meningiomaを発生部位および進展の仕方からcraniospinal typeとspinocranial typeとに分類したが,実用的なので大後頭孔部の腫瘍について臨床上好んで用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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