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症例
広範なComplete scalp avulsionに続発した頭蓋骨のSpreading osteomyelitisの1例
著者: 古野正和1 坂倉允1 和賀志郎1
所属機関: 1三重大学脳神経外科
ページ範囲:P.403 - P.407
文献購入ページに移動1899年Tilley22)は,前頭洞の手術後に発生した前頭骨全体に及ぶosteomyeli-tisをspreading osteomyelitisとして初めて報告した.それ以後,比較的多数の報告例がみられていたが22),しかし最近の抗生物質の発達と医学の進歩により,spreading osteomyelitisがわれわれの目にはいることはほとんどなくなった2,8,18,20,23).
Woodhall23)は,1955年から1965年に17例の頭蓋骨のosteomyelihsを経験し,原因を次のように分類した——開頭術後7例,cervical traction tongによるもの4例,頭部外傷後3例,副鼻腔炎に続発するもの2例,frozen bome flapによるもの1例.同様にBullitt and Lehman2)も18例の頭蓋骨骨髓炎を報告しているが,osteomyelihsは限局性のものばかりである.頭蓋骨全体に及ぶostcomyelitisはWood-hall23)が1944年のOdomの手術をした1例を引用しているのみである.
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