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Balloon catheterを利用した無縫合血管吻合法による血管移植術
著者: 畑中光昭1 岩淵隆2
所属機関: 1十和田市立中央病院脳神経外科 2弘前大学脳神経外科
ページ範囲:P.583 - P.588
文献購入ページに移動脳神経外科領域における血行再建術は自家静脈片3,9,12,17)や代用血管16)の応用へと発展してきたが,一方,成績の向上とともに操作の簡便化,操作時間の短縮などにも目が向けられ6,14,19,25),研究が進められてきた.その一方法として無縫合血管吻合法の開拓4-6,8,11,13,14,18,19,22−25)が行われてきたが,著者らもsaccaroseを上成分とした可溶性支柱と生体接着剤を用いた無縫合血管吻合法を外径1mmの血管吻合に試み,実験的自家小静脈片移植術に応用できた5,6),本法では吻合血管の内腔保持が大切で,特に伸縮性や材質の異なる血管,口径差を有する血管同士の吻合には内腔のサイズや形態を自由に調節することが一層必要となり,この条件を満足できるmicroballoon catherを用いるに至った7).今回はこのballoon catheterと接着剤を用い,自家静脈片および代用血管,expanded polytetrafluoroethylere(以下EPTFE)などを移植片とした無縫合血管移植術を端々および端側吻合法により試みたので報告したい.
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