文献詳細
文献概要
扉
脳外科手術の移り変りと今後への願い
著者: 桑原武夫1
所属機関: 1横浜市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.677 - P.678
文献購入ページに移動 最近思うことの一つは,今日の手術が昔の手術にくらべてすばらしく進歩した,ということである.とくに今日では若い人でもかなりむずかしい手術を安全にやってのけるのを見て脳外科の進歩,普及を思い知らされる思いがする.そこで今回は,筆者が脳外科を志して以来,今日に至るまで筆者が見てきた脳外科手術の移り変りを思いつくままに記してみようと思う.
筆者がインターンを終え東大第1外科(清水健太郎教授)へ入局したのは昭和27年のことであるが,この頃,頭の手術はすでに沢山行われていた.多くは脳腫瘍で,グリオーマあり,髄膜腫あり,下垂体腺腫あり,さまざまの腫瘍があったが,今日と異なり動脈瘤の手術はほとんど無い時代であった.当時は,気管内挿管による全身麻酔はわが国では普及する直前のことであり,ほとんどの手術はプロカインの局所浸潤麻酔のみで行われていた.
筆者がインターンを終え東大第1外科(清水健太郎教授)へ入局したのは昭和27年のことであるが,この頃,頭の手術はすでに沢山行われていた.多くは脳腫瘍で,グリオーマあり,髄膜腫あり,下垂体腺腫あり,さまざまの腫瘍があったが,今日と異なり動脈瘤の手術はほとんど無い時代であった.当時は,気管内挿管による全身麻酔はわが国では普及する直前のことであり,ほとんどの手術はプロカインの局所浸潤麻酔のみで行われていた.
掲載誌情報