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研究
自家骨髄移植を併用した大量化学療法による悪性脳腫瘍の治療
著者: 渋井壮一郎1 渡辺卓1 三木啓全1 野村和弘1 大平睦郎2
所属機関: 1国立がんセンター脳神経外科 2国立がんセンター小児科
ページ範囲:P.723 - P.729
文献購入ページに移動悪性神経膠腫は,現在なお治療困難な疾患のひとつである.術後の放射線療法,化学療法の進歩により,その治療成績も向上しつつあるが,大半の症例が再発,増悪を繰返し不幸な転機をたどっている.動物実験での成績のよさが,そのまま臨床成績につながらないのは,使用する薬剤の量の差によるところも多いと思われるが,大量に薬剤を使用すれば,急性,亜急性毒性の問題があり,特に,強い骨髄抑制のために通常の方法で臨床に実施するのは極めて困難である.一方,骨髄移植の試みは1956年以来,数多くなされてきたが3,18,19),最近,骨髄細胞の凍結保存技術の確立により,大量の化学療法あるいは全身放射線照射後に凍結保存しておいた自家骨髄を戻すという方法で骨髄抑制を克服し,白血病その他の悪性腫瘍の治療が試みられ好成績をあげている5,6,8,12,16),われわれは,従来の治療に抵抗性の悪性神経膠腫に対し,自家骨髄移植を併用した大量化学療法を行う機会を得たので報告する.
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