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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻7号

1983年07月発行

文献概要

症例

ヘパリン少量投与法が有効であった頭部外傷後DICの1例

著者: 飯塚秀明1 角家暁1 鈴木尚2 島崎鋼兵2

所属機関: 1金沢医科大学脳神経外科 2金沢脳神経外科病院

ページ範囲:P.765 - P.769

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I.はじめに
 重症頭部外傷に続発して汎血管内凝固症候群(以下DIC)が生ずることは知られており6,8,10,13),重篤な合併症として予後を左右する因子の1つと考えられている13).DICの治療は,従来よりヘパリン療法の有効性が認められているが5),頭部外傷,特に頭蓋内血腫を伴った例にヘパリンを投与することは,その投与量によってはかえって出血を助長させる危険がある8,13).一方,DICの治療として,6,000-10,000単位/日程度の少量のヘパリンが有効との報告もみられ9),最近は,出血の副作用の心配ない少量投与法の報告が多くなってきている11,14).われわれは,外傷性頭蓋内血腫に続発したDICに対し,6,000単位/日の少量ヘパリン投与により,DICを治療しえた1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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