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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻8号

1983年08月発行

文献概要

総説

NMR画像法

著者: 安里令人1 半田肇1

所属機関: 1京都大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.787 - P.801

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I.はじめに
 核磁気共鳴法(nuclear Imagnetic resonance, NMR)はいくつかの特色を持ち,それらは生体測定に際して長所とも短所ともなる.
 生体を観察する場合,内視鏡や実体顕微鏡では直接視覚でとらえ,X線CTでは組織のX線吸収係数を測定するが,これら外部から観察する方法と異なり,NMRはポジトロンCT(PET)と同じように生体内物質から放射される電磁波をとらえる.ただPETでは外来の物質を観測するのに対し,NMRでは外部から電磁波を照射することによって生体内に存在する自前の元素を励起し電磁波を放射する性質を付与する点が異なる.この場合,生体内諸元素のすべての核種がNMRの測定対象とはならず,核子(陽子および中性子)のいずれかが奇数である核種に限られ,このときその核種は正味の核スピンを持つ.したがってたとえば12Cと16Oは生体内で普通に存在する炭素と酸素の同位体であるにもかかわらずNMRで測定できない.そのうえ各核種の相対的な感度に差があり,実用的な核種は限られてくる(Table1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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