icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻8号

1983年08月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

眼窩内腫瘍の手術

著者: 岩淵隆1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科

ページ範囲:P.803 - P.810

文献購入ページに移動
I.はじめに
 眼窩は乾燥骨標本で測定すれば,その容積は成人で約25cm3に過ぎないが,その内腔には中枢神経である視神経,およびその付随組織として髄膜の他,末梢神経,横紋筋,涙腺,血管,結合織脂肪など,さまざまな組織が存在し,隣接組織からの進展,遠隔転移を含め発生する腫瘍は各種各様である.
 しかしその発生頻度はさほど高くはなく,全国の大学,主要病院眼科の集計では年間発生385例で,眼科患者総数の0.16%,眼腫瘍の32.10%,また両側例は2.5%であったと報告されている56),他方,厚生省がん研究(56S−1)の一部としての脳腫瘍全国集計調査報告1977年版では,同年の新しい脳腫瘍登録患者は2,794例と記載されている.年代,調査法が異なるので正確にはいえないが,これら2つの数値からすれば,発生頻度について,眼窩腫瘍は脳腫瘍の約1/7ということになる.最近10年間のわれわれの教室ではほぼ1/30である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?