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症例
開頭術による全摘後,Pterygomaxillary fossaに再発した蝶形骨縁髄膜腫の1例—症例報告と手術アプローチについて
著者: 花北順哉1 絹田祐司1 武内重二1 半田肇1 牧本一男2
所属機関: 1京都大学脳神経外科 2京都大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.857 - P.864
文献購入ページに移動髄膜腫は肉眼的に全摘出されても5-15%の再発があるとされているが,その再発率は腫瘍発生部位によって異なっており,蝶形骨縁髄膜腫では,7.7-15%といわれている10).一方,髄膜腫は良性腫瘍といわれながらも,ときには近傍の組織へと浸潤性に伸展したり,他臓器へ遠隔転移を示すことが知られており7),蝶形骨縁髄膜腫の場合にも,眼窩内,海絹瀞脈洞,pterygomaxillilaryfossa(infraiemporal of fossa)な.どに伸展することが報告されている1).このたび,蝶形骨縁の中間側(alar type)に発生した髄膜腫で,開頭術によって全摘出されたが,2年経過してから頭蓋内には再発せずに,pterygoma-xillary fossa,眼窩内に再発した1例を経験した.初回開頭術前の脳血管撮影,CTスキャン所見では腫瘍は頭蓋内にのみとどまっていた.今回再発した腫瘍は上顎洞癌摘出術に用いられるDieffenbach-Weber-Fergusson法によるアプローチを応用して摘出した6).これら2回の腫瘍摘出前の脳血管撮影所見,CTスキャン所見を報告し,さらにpterygomaxillary fossa内腫瘍へのアプローチの1つとしてのDieffenbach-Weber-Fergusson法の経験を報告する.
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