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症例
脈絡叢部動静脈奇形の1例
著者: 村田高穂1 織田祥史1 内田泰史1 奥村禎三1 森本雅徳1 森惟明1
所属機関: 1高知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.867 - P.873
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)のうち,前もしくは後脈絡叢動脈(anterior or Posteriorchoro)klal artery)あるいはその両方より栄養され,ガレン静脈系に流入するいわゆる脈絡叢部動静脈奇形(AVM of the choroid plexus)は,Cophignonら5)のいうchoroidal AVMのうち脈絡叢動脈末梢側(脳室内)に本体(nidus)を有するものをいう,この部のAVMは脳室内出血が必発であり,そのために重篤な経過をとる例がある6,14).しかし,一方ではその本体は一般に小さなものが多く,早期確定診断により根治手術の可能なことが多い11).
われわれは脈絡叢部AVMで,経脳梁到達法(trans-callosal approach)による根治手術を行い,後遺症を残すことなく治癒せしめた1例を経験したので報告するとともに,これまでの文献を再調査し,AVMを含めた脈絡叢部血管腫(angiomla of the choroid plexus)に関する臨床上の問題点につき考察を加えてみた.
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