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「脳死」のメモ
著者: 竹内一夫1
所属機関: 1杏林大学・脳神経外科
ページ範囲:P.895 - P.896
文献購入ページに移動1950-55年(昭和25-30年)頃は脳外科病棟で脳ヘルニアによる呼吸停止が起これば,受持医は直ちに患者にまたがって人工呼吸を行ったものである.当時はいまだステロイドもマニトールもなく,わずかに脳室穿刺による髄液排除か,50%ブドウ糖液の静注程度の治療法しかなく,蘇生はおろか短時間で血圧も降下し,心停止・死亡してしまったものである.ときには一晩に3人の患者に人工呼吸をしたり,数時間の人工呼吸で医者のほうがヘトヘトになってしまうこともあった.
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