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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻9号

1983年09月発行

文献概要

研究

定位的Metrizamide頸部脊髄造影法

著者: 伊関洋1 天野恵市1 河村弘庸1 谷川達也1 川畠弘子1 能谷正雄1 西村敏彦1 塩飽哲士1 星妙子1 長尾建樹1 小林直紀2 小野由子2 黒岩悦二3 喜多村孝一1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経センター神経放射線科 3飯山赤十字病院放射線科

ページ範囲:P.927 - P.932

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I.はじめに
 metrizamide(Amipaque®は従来の水溶性造影剤iothalamate塩(Conray®やiocarmate塩(Dirax®などと異なり,非イオン性のため神経毒性が小さく,けいれん誘発作用が極めて低く,かつ油性造影剤に比しやや鮮明度が落ちるが,診断のためには十分鮮明な撮影像を得ることができる.したがって今日では脊髄造影にはmetrizamideが主として用いられている.
 metrizamideを用いた脊髄造影の手技および被検者の体位は,この水溶性造影剤の拡散・吸収の速いことを考慮し,頸椎・胸椎・腰椎各部の解剖学的特徴に応じて決めなければならない.頸部脊髄造影では撮影体位は腹臥位で行われるのが普通である.造影剤注入のための穿刺法には,後頭下穿刺法5),腰椎穿刺法11,12,22),第1-2頸椎椎間の側方穿刺法(C1-C2穿刺法)1.4.15.20)の3種類があげられる.それぞれの穿刺法には一長一短があるが,著者らの施設では腹臥位でC1-C2穿刺法を用いている.この方法では拡散の速いmetrizamideの性質にもかかわらず,比較的低濃度で少量の造影剤の使用で明瞭な撮影像を得ることができ,被検者に無理な体位を強いることがなく,副作用も少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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