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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻9号

1983年09月発行

文献概要

症例

髄膜発生の血管外皮腫

著者: 伊藤治英1 長谷川健1 河野寛一1 正印克夫1 山本信二郎1 松原藤継2

所属機関: 1金沢大学脳神経外科 2金沢大学中央検査部

ページ範囲:P.975 - P.981

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I.はじめに
 血管外皮26)に由来する腫瘍をStout&Murray22),Stout21)は血管外皮腫と称し,その半数は筋や骨格に発生する,髄膜に発生した血管外皮腫についてはBegg&Garret4)が1954年に初めて報告した.このものは髄膜に付着し,肉眼的に髄膜腫と差がなく,Baileyら3),Russellら18)は血管外皮腫を悪性徴候のなし血管の豊富な髄膜腫と天幕上の良性血管腫を一括して血管芽細胞性髄膜腫(angioblastic meningioma)としている,Ker-nohan & Uihlein10)は髄膜に発生した血管外皮腫において多数の核分裂像と豊富な格子線維網の存在,および再発傾向から髄膜腫と区別して肉腫の一種としている.Simpson19)も髄膜に発生した血管外皮腫を未分化肉腫と呼んでいる,WHO分類(World Health Organiza-tion,1979)27)によると血管外皮腫を髄膜腫の一型とし,その悪性度はgrade IIとしている.以上のように血管外皮腫の位置づけに見解の一致をみていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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