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症例
Bromocriptineによる非機能性下垂体腺腫の腫瘍縮小効果
著者: 高橋立夫1 桑山明夫1 加藤哲夫1 市原薫1 景山直樹1 佐々木文彦2
所属機関: 1名古屋大学脳神経外科 2名古屋大学第3解剖学教室
ページ範囲:P.71 - P.80
文献購入ページに移動1967年Flückiger13)により開発されたdopamine ago-nistであるbromocriptineがプロラクチン産生腫瘍に対し特に有効で,血清プロラクチン値の低下作用のみならず,多くの症例では腫瘍縮小効果も著しく,そのことはCTやmetrizamide cisternography, metrizamide CTC,pneumoencephalographyなどで証明されてきた1,3-10,14−16,19-26,28-31,33,67-41,43-46,48,49),先端巨大症に対してはわずか十数例で縮小効果が証明されているのみであるが19,39,46,47,49),非機能性下垂体腺腫に対しては最近John-ston, Spark, Wollesenらが縮小効果を報告している19,39,49).われわれは,視力視野障害で発症した47歳男性で,内分泌学的に非機能性であるにもかかわらずbro-mocriptine投与により著しい症状の改善とともに腫瘍が縮小した症例を経験したので,組織学的検討を加え報告する.
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