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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻1号

1984年01月発行

文献概要

症例

頭蓋底硬膜外腔への伸展を示した原発性頭蓋内Endodermal sinus tumorの1例

著者: 村田高穂1 有澤雅彦1 織田祥史1 内田泰史1 森本雅徳1 奥村禎三1 清家真人1 森惟明1 森木利昭2 原弘2

所属機関: 1高知医科大学脳神経外科 2高知医科大学第一病理 3現籍 大阪市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.83 - P.90

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I.はじめに
 原発性頭蓋内endodermal sinus tumor(EST)(=yolk sac tumor)は極めて稀な疾患であり,これまでに明らかな記載のあるものに限れば24例の報告をみるにすぎない2-4,6,8,14,18)(Table 1).Ebertsら6)は18例の原発性頭蓋内ESTにつき検討した結果,自験例を含めた3例のみがトルコ鞍内もしくはその近傍より発生し,残りの大部分は松果体部原発であったと報告している.しかも松果体部原発例では男性優位であるのに対し,トルコ鞍部原発例は3例とも女性であった.また,トルコ鞍部原発例では腫瘍の鞍上部伸展に伴い,下垂体-視床下部機能不全症と視力,視野障害をきたした.
 われわれはトルコ鞍背部蝶形骨近傍より発生したESTが頭蓋底硬膜外腔に沿い広範囲に伸展し,それに伴い極めて特異な臨床像を呈した1男性例を経験したので報告し,文献考察を行い,病理組織学的検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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