文献詳細
文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
松果体腫瘍の手術
著者: 佐野圭司1
所属機関: 1帝京大学脳神経外科
ページ範囲:P.1119 - P.1129
文献購入ページに移動I.はじめに
最初に松果体腫瘍を摘出しようとこころみたのは多分Horsley(1910)7)と思われる.かれはinfratentorial ap-proachをとったが結果が悪かったので,supratentorial approachをすすめている.1913年Krause17)はOppen-heimにより診断された10歳男子の四丘体部の巨大な腫瘍をinfratentorial supracerebellar approachにより摘出するのに成功した.組織学的には腫瘍はFibrosar-komあるいはgemischtzelliges Sarkomであったという.おそらくpineal teratomaではなかったかと思われる.この症例は少くも第1次大戦までは健在であったという10).1926年の報告10)でKrauseは同様なapproachにより手術した症例を2例追加したが,これらでは腫瘍の摘出は不成功に終わったと言っている.同様なap-proachは1956年Zapletal34)により報告された.かれは各1例の四丘体部のastrocytoma,上虫部のmedullo-blastoma,松果体部のepidermoid,pinealomaを手術したが,最後のもののみ摘出に成功したとのべている.
最初に松果体腫瘍を摘出しようとこころみたのは多分Horsley(1910)7)と思われる.かれはinfratentorial ap-proachをとったが結果が悪かったので,supratentorial approachをすすめている.1913年Krause17)はOppen-heimにより診断された10歳男子の四丘体部の巨大な腫瘍をinfratentorial supracerebellar approachにより摘出するのに成功した.組織学的には腫瘍はFibrosar-komあるいはgemischtzelliges Sarkomであったという.おそらくpineal teratomaではなかったかと思われる.この症例は少くも第1次大戦までは健在であったという10).1926年の報告10)でKrauseは同様なapproachにより手術した症例を2例追加したが,これらでは腫瘍の摘出は不成功に終わったと言っている.同様なap-proachは1956年Zapletal34)により報告された.かれは各1例の四丘体部のastrocytoma,上虫部のmedullo-blastoma,松果体部のepidermoid,pinealomaを手術したが,最後のもののみ摘出に成功したとのべている.
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