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症例
先天性第ⅩⅢ因子欠乏症に伴う頭蓋内血腫の3手術例
著者: 重森稔1 小島猛3 古城信人3 久保山雅生1 徳富孝志1 弓削龍雄1 中島美由紀2 渡辺光夫1 倉本進賢1
所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2久留米大学検査室 3琉球大学脳神経外科
ページ範囲:P.1167 - P.1171
文献購入ページに移動先天性の凝固因子欠乏症のうち,第ⅩⅢ因子(フィブリン安定化因子)欠乏症は極めて稀であり,現在までの報告例も100例前後にすぎない3,5,6)pp.本症では,約25%に頭蓋内出血を合併するとされるが3),開頭術による治療が行われた症例は,いまだ数例に満たないようである6).最近私どもは,本症に頭蓋内血腫を合併した3手術例を経験したが,うち1例では術前診断が不明で,手術後に本症と考えられたものであった.本症のように,極めて稀な出血性素因による頭蓋内出血の場合,その診断や手術前後の管理の上で多くの問題がある.これらの症例は,今後同様の症例に遭遇した場合に多くの示唆を与えると考えられるため,若干の文献的考察を加えて報告する.
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