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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻10号

1984年09月発行

文献概要

症例

原発性低髄液圧症候群に合併した慢性硬膜下血腫の2例

著者: 大原久美子1 関要次郎1 前田隆寛1 相羽正1

所属機関: 1虎の門病院脳神経外科

ページ範囲:P.1203 - P.1208

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I.はじめに
 低髄液圧症候群(low spinal fluid pressure syndro-me)は,腰准穿刺,開頭術,頭部外傷などを原因とし,低髄液圧による頭痛を主症状とする1つの症候群である.他に,これらの外因によらない原発性のlow spinal fluid pressure syndrome(primary intracranial hypo-tention)があり,1938年Schaltenbrand12)により"ali-quorrhea"という表現で報告されているが,これは極めて稀なものである.一方,慢性硬膜下血腫発生の助長因子として,これら髄液圧の低下が関係することはよく知られており,低髄液圧症候群に伴う慢性硬膜下血腫例の報告がこれまでにも散見されている.
 今回われわれは,原発性低髄液圧症候群に合併したと思われる慢性硬膜下血腫2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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