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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻10号

1984年09月発行

文献概要

症例

前大脳動脈の解離性動脈瘤

著者: 中澤拓也12 斎藤晃1 渡邊一良13 松田昌之1 半田譲二1

所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科 2大阪府済生会野江病院脳神経外科 3彦根市立病院脳神経外科

ページ範囲:P.1211 - P.1216

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I.はじめに
 解離性脳動脈瘤は,大動脈やその他,脳以外の全身の動脈の解離性動脈瘤に比べて,その報告はなお少ない10,13,20,21,28).1960年以前には十数例の報告をみるにすぎなかったが,1960年以降,脳血管撮影の普及に伴って報告例は次第に増加し,最近ではアテローム硬化症のない,若い,健康であった人に急に脳梗塞が起こった場合,この解離性脳動脈瘤も鑑別診断に入れるべきであるともいわれている7,10,13,20,21,28).臨床的には脳梗塞の症状を示すことが多いが,発病がくも膜下出血に似ることもあり,壁の解離の発生機序は多くの場合明らかではない.
 われわれは,3回の脳血管撮影とCTから,前大脳動脈の解離性動脈瘤と思われる症例を経験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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