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Flow cytometryによる脳腫瘍の生長解析—Part 4:転移性脳腫瘍
著者: 岡信行1 河本圭司1 西山直志1 川上勝弘1 中島孝之1 河村悌夫1 松村浩1 玉木紀彦2 松本悟2
所属機関: 1関西医科大学脳神経外科 2神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.1255 - P.1262
文献購入ページに移動脳腫瘍のDNA量についての検索は,flow cytometry(FCMと略す)またはflow microfluorometryにおける機器の開発研究により15),瞬時にして相対的DNA量の測定ができるようになり,すでに基礎的分野から臨床的分野まで幅広く報告がなされてきている8,13,14,16-21,35).
われわれは,1975年Krishanが開発したpropidium iodie9,23)を用い,種々の脳腫瘍細胞の悪性度がFCMにより簡単かつ迅速に判明すること16-21),またglioblas-tomaにおいて部位別に異なったパターンをとることなどを指摘してきた20).しかし,転移性脳腫瘍についての検索はまだ少なく,1978年の星野らの報告にみられるにすぎない14).一方,原発巣としての面から注目すると,FCMを用いて肺癌1,11,31),乳癌2),前立腺癌4,30,37)などのDNA最分布についての検索がいくつか報告されている.今回われわれは,種々の転移性脳腫瘍について,FCMによるDNAヒストグラムのパターンおよびcell cycleについて分析するとともに,原発性腫瘍として乳癌,肺癌についても同様に分析し,両者の相関関係について検討した.
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