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症例
透明中隔より発生したSubependymomaの1例
著者: 小林清吉13 本田英一郎1 東健一郎1 古賀誠2 杉原甫2 小林清市3
所属機関: 1北九州中央病院脳神経外科 2佐賀医科大学病理学教室 3久留米大学脳神経外科
ページ範囲:P.1307 - P.1312
文献購入ページに移動1945年Scheinker21)がsubependymal glia由来と考えられる2例の第4脳室腫瘍を報告し,その組織学的特徴よりsubependymomaという新しいentityを提唱した.本腫瘍は中年以降の年代で,剖検時偶然発見されることが多く,そのほとんどは第4脳室にみられる17).その他に,側脳室,透明中隔,モンロー孔,中脳水道,脊髄にも発生し,種々の神経症候を呈し,外科的治療をうけたものも少なくない1-4,6-8,10-12,15,18,21-23,25,26).
今回われわれは,両側側脳室前角内に大きく発育し,手術および組織学的検討により透明中隔より発生したと考えられるsubependymomaの1例を経験した.透明中隔のsubependymomaは,われわれの調べ得た範囲ではこれまで7例の報告に留まり(Table 1),稀であると考えられ,ここに若干の文献的考察を加え報告する.
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