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症例
四丘体部くも膜嚢胞—5症例の臨床的考察
著者: 藤田勝三1 佐藤博美1 玉木紀彦1 松本悟1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.1315 - P.1322
文献購入ページに移動くも膜嚢胞は良性の非腫瘍性脳実質外占拠性病変で,その内容液として脳脊髄液様の液体を貯溜した嚢胞で,くも膜の存在するあらゆる部位に発生可能であり,その主要発生部位として,sylvian fissure2,6),interhemi-spheric fissure13),supra-sellar region10,16,17,20,22),cere-bello-pontine angle2,6),quadrigeminal cistern8,9,14),retrocerebellar region15),convexity2,6)などがあげられるが,このなかでsylvian fssureに接して生じる中頭蓋窩くも膜嚢胞が最も頻度が高い7,18).くも膜嚢胞はCTの出現以来,その特徴的な所見からCTにより比較的容易に診断することができ,このくも膜嚢胞に関する報告例が増加してきたが,今まで極めて報告の少ないquadrigeminal cisternに発生したと考えられるくも膜嚢胞5例を経験したので,その5例の臨床所見および外科的治療法を中心に若干の文献的考察を加えて報告する.
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