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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻2号

1984年02月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

脊椎披裂の手術

著者: 林隆士1

所属機関: 1聖マリア病院脳神経外科

ページ範囲:P.121 - P.128

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I.はじめに
 Spinal dysraphismは診断面においては水溶性造影剤の開発にてより精度の高い脊髄造影が得られるようになり,さらに全身用CTの応用により脊椎管内の占拠物の合併とその広がりが一層正確に把握可能となった.治療面では顕微鏡下での手術により,softな操作ができ,機能的成績も向上していると考えられる.その反面,患児側からいえば,長期生存者は対麻痺や膀胱,直腸障害をはじめ,その将来は大きなハンディーを背負った生活を強いられる運命となる.また,本疾患の発生機序がhydromyelic theoryに基づくにせよ,dysraphic theoryあるいはtraction theoryに基づくにせよ,多くの症例は一連の中枢神経系奇形を多発しているために,複雑な治療計画が要求される.さらに,潜在性脊髄披裂では,脊椎管内に脂肪腫,奇形腫,類上皮腫,上皮腫,血管腫などを伴うことも少なくない.また,tight filum termi-naleの存在によるtethered spinal cordも問題である.ここでは紙面の関係上,嚢胞性脊椎披裂としてmyelo-meningocele(myeloschisisを含む),潜在性脊椎披裂としてtethered cord syndrome(tight filum terminale)および腰仙部脂肪腫に関して,それらの手術手技について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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