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研究
脳血管攣縮に対するPrazosin hydrochlorideの効果—実験的研究
著者: 石橋安彦1 今田隆一1 吉本高志1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.133 - P.139
文献購入ページに移動くも膜下出血後に発現する脳血管攣縮の予知,予防あるいはその病態については種々の研究が精力的に行われており,次第にそれらが明らかにされてきてはいるが,しかしその予防,治療に関してはいまだ満足すべき方法の開拓には至っていない.
われわれは,脳血管攣縮の発生には,その血管外膜に分布する交感神経終末が重要な役割を演じていることをすでに報告し5,11),さらにその交感神経終末は上頸神経節由来14-16)であることも発表してきた.そしてそれらの実験的事実に基づき,破裂脳動脈瘤の臨床例において上頸神経節切除術18)を攣縮発現の早期に施行し,その有効性を強調してきた.しかしその後,この手術的療法に代わる非観血的療法の開発の必要性を考慮し,その可能性を検討してきた.
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