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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻2号

1984年02月発行

文献概要

研究

各種抗酸化剤などの虚血脳保護作用の実験的研究—特にMannitol,vitamin E,dexamethasoneおよびPFCの併用効果

著者: 藤本俊一1 溝井和夫1 大庭正敏1 鈴木二郎1

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.171 - P.180

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I.はじめに
 われわれはすでに20%mannitolが虚血脳に対して保護作用を有することに注目し,この10年以上の間,各種脳虚血モデル犬19,37,54)を用いて,その有効性を各方面より検討報告し,また臨床応用についても発表してきた31,35,36,52,53).また本剤に人工血液として開発されたperfluorochelnicals(以下PFC)を追加することによって,さらに有効な抗虚血能力を生ずることも証明し22,38,39),これを脳梗塞急性期の臨床例に用い,その成果を発表してきた40)
 このmannitolの虚血脳への保護作用が何に基づくものかは判然としていなかったのであるが,木剤が活性酸素種の捕捉作用物質(free radical scavenger)としての作用を有することが知られるようになり3),また近年,脳組織障害過程に活性酸素に起因する生体膜の脂質過酸化反応の関与が新たな仮説として注目されるようになって9-11,20),脂質過酸化反応を抑制する薬剤,すなわちmannitolをはじめとする抗酸化剤が虚血脳の治療に有効であろうと推定するに至った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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