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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻3号

1984年03月発行

文献概要

総説

機能的脳外科の現状と将来

著者: 大江千廣1

所属機関: 1群馬大学脳神経外科

ページ範囲:P.227 - P.236

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I.Introduction
 機能的脳外科は,1947年Spiegel and Wycisがste-reotaxic apparatusを人間の脳の手術に応用して以来,新しい手術手技として世界中に受け入れられ,1960年代の前半頃までは,多くの脳神経外科の施設で行われていたことは周知の通りである.しかし,その主な対象であったパーキンソン病が,L-Dopaの使用で手術適応からいったん外されたために急激な消退をみた.ところが,パーキンソン病自体L-Dopaの長期投与による諸問題,あるいはL-Dopaがもともと振戦には比較的効果が少いということから,再び手術適応と考えられる例が多くなりつつある.一方,最近10年位の間に急速にひろまったコンピュータを主役とする諸々の診断機器,特にCTスキャンのおかげで,脳深部の小病変が容易に発見されるようになって,定位的手術手技の応用範囲が見直され広い分野で使用されるようになってきた.
 機能的脳外科の原理は,必ずしも目に見えない脳の病変に由来する脳の機能的異常に対して,脳の一定点に侵襲(これは以下に述べるように破壊だけではなく刺激や特殊な賦活を含む)を加えて,機能の異常を正常の方向へもどそうとするものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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