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研究
重症脳梗塞に対する予防的外減圧術
著者: 上野一義1 大里孝夫1 佐々木寛1 野村三起夫1
所属機関: 1国立療養所北海道第一病院脳神経外科
ページ範囲:P.261 - P.267
文献購入ページに移動脳梗塞が広範囲の場合には,グリセロールやマニトールなどの抗脳浮腫剤やステロイドの使用にもかかわらず随伴する脳浮腫が増悪し,外減圧術の施行が必要となることがしばしばみられる.
これまでわれわれは,天幕ヘルニアの症状,特に瞳孔不同の出現を見いだした時点で,直ちに外減圧術を施行してきたが,その予後は予想していたより悪かった.外減圧術の施行基準を再検討するため,重症脳梗塞例のCTを見直した結果,天幕ヘルニア発生の前段階ともいうべき所見を見いだした.最近はこのCT所見が出現した時点で,たとえ天幕ヘルニアの症状が出現していなくとも予防的に外減圧術を施行し良好な予後を得ているので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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