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研究
重症頭部外傷患者における高頻度ジェット換気法(HFJV)の頭蓋内圧への影響
著者: 福家伸夫1 村上泰1 堤晴彦1 有賀徹1 豊岡秀訓1 三井香児1 高倉公朋2 稲田豊3
所属機関: 1東京大学医学部付属病院救急部 2東京大学医学部付属病院脳神経外科 3東京大学医学部付属病院麻酔科
ページ範囲:P.297 - P.302
文献購入ページに移動頭蓋内圧(intracranial pressure,以下単に脳圧と称す)の亢進はしばしば致命的であり,原疾患の如何を問わず,その測定と制御は重要な意義をもっている.われわれの施設では脳圧亢進を伴う重症頭部外傷患者の管理に際しては,バルビツレート療法1)やマイコンを利用した自動制御による脳圧のコントロール2)を施行しているが,しかしそうした重症患者が呼吸不全を合併していることは決して珍しくなく,しかも呼吸状態と脳圧が互いに無関係ということはありえない,たとえば低換気によるPaCO2の上昇は脳圧の上昇をきたすし,一方,呼吸不全の治療として行われる人工的陽圧換気は,胸腔内圧の上昇をもたらして静脈還流を阻害するため,やはり脳圧の亢進をひきおこす可能性がある.
われわれは最近新しい呼吸管理法として注目を浴びている3-7)高頻度ジェット換気法(High Frequency JetVentilation,以下HFJV)を症例に応じて採用しているが,それが脳圧に与える影響についての報告はBabin-skiらのイヌを用いた実験8)およびTodd9)らのネコを用いた実験があるのみで,臨床例は皆無である.そこでわれわれは今回,重症頭部外傷患者のウィーニング期にHFJVを施行し,平均頭蓋内圧および呼吸循環系への影響を間歇的強制換気(Intermittent Mandatory Venti-lation,以下IMV)あるいは持続気道内陽圧(ContinuousPositive Airway Pressure,以下CPAP)と比較してみた.
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