icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻3号

1984年03月発行

文献概要

症例

外頸動脈起源の眼動脈を有し,一過性黒内障を頻発した外頸動脈狭窄症の1手術治験例

著者: 沢村豊1 中川翼1 桜木貢1 島功二1 杉本信志1 都留美都雄1

所属機関: 1北海道大学脳神経外科

ページ範囲:P.377 - P.381

文献購入ページに移動
I.はじめに
 一過性黒内障は他の内頸動脈系TIAと同様に,その原因が頸部頸動脈狭窄性病変に存することは古くから知られており,またそれは,頸部頸動脈血栓内膜剥離術のよい適応となることが少なくない,一方,近年,一過性黒内障が同側の内頸動脈閉塞例にみられることが注目され,外頸動脈狭窄性病変がその病因として論じられている1,2,4-7).しかしながら,その多くは内頸動脈閉塞後の側副血行路として機能していた外頸動脈-眼動脈系の虚血症状としての一過性黒内障であり1,2,4-9),眼動脈の分岐異常に起因すると思われるものはWeinberg(1981)の1例17)のみで,本邦での報告例は見当らない.著者らは最近,外頸動脈起源の眼動脈を有し,一過性黒内障を呈し,外頸動脈起始部の狭窄がその原因として考えられた極めて稀な1例を経験した.外頸動脈狭窄と一過性黒内障の関係につき多少の考按を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?