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パノラマ事件から学んだこと
著者: 牧豊1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系脳神経外科
ページ範囲:P.431 - P.431
文献購入ページに移動得られた教訓−1)脳死の実際の認識がマスコミ,大衆,専門家以外の医師にも欠けていたときのTVの腕力の凄さ,2)専門家の積極的な公報活動の勇気と努力が国民的合意を得るには必須であること,3)臨床医学の情報は放送に先だち,医学とマスメディアとの話し合いの正式機関を持つ必要がある,などを痛感させられた.臨床医の仕事は生きるための医学で,生の出発点の誕生と生の終点である死を正確な時刻として,臨床医は宣言する責任と権限をもっている.法律家も宗教家にもこの仕事はできない.死に関しては法的定義もなく,死は臨床の問題として法律は介入することは今までもなかった.
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