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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻4号

1984年03月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

脊髄腫瘍の手術

著者: 小山素麿1

所属機関: 1大津市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.433 - P.439

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I.はじめに
 一般に,脊髄腫瘍と総称されるものには脳腫瘍の場合と同様,脊髄内ばかりでなく,神経根,くも膜,硬膜さらに脊椎管内に発生し二次的に神経組織を圧迫する腫瘍も含まれ,そのすべてを記述するには筆者は浅学菲才であり,また紙面の関係からも許されない.そこで,10年前Zürich大学脳神経外科でKrayenbühl,Yaşargil両教授から直接,間接に教えを受けた86例の脊髄腫瘍と,大津市民病院脳神経外科に着任して以来4年半に経験した57例をふりかえって,手術に際し忘れてはならない解剖の知識を中心に,手術手技の概要を述べる.
 脊髄腫瘍の手術でも,腫瘍の存在する部位,すなわち平面上の位置と高位(レベル)の組み合わせで,手技はかなり異なるので従来の分類にしたがい,髄内腫瘍,硬膜内髄外腫瘍,硬膜外腫瘍に分けるほか,レベルでは頸部,胸部,腰仙部の開創,閉創法について記載する.なお,砂時計形に進展した腫瘍では特別な工夫が必要と考えるので別項をもうける.椎体から発生する腫瘍(ver-tebral thumor)は多くの教科書でも別に扱われているので7,15),本稿では省略する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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