icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻5号

1984年04月発行

文献概要

症例

小さな硬膜欠損により生じた術後性脊髄硬膜外くも膜のう腫

著者: 内堀幹夫12 絹田裕司1 小山素麿1

所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2京都府立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.619 - P.624

文献購入ページに移動
I.はじめに
 腰椎椎間板ヘルニア摘出術には,さまざまな合併症があり,腹部大動脈や尿管の損傷のほかに,Ford5)は手術局所の合併症を詳細に報告している.
 われわれは,術後数ヵ月を経過し,いったん順調に社会復帰したのち,再び強い腰痛が出現した2症例を経験した.この2人を再入院させ精査したところ,手術部位に一致してくも膜下腔の後方への異常拡大を認めた.
 再手術の結果,初回手術時の小さな硬膜欠損が原因で生じた硬膜外くも膜のう腫であることを,組織学的にも確認した.これに類似した報告は,われわれの調べ得たかぎりではGrumme8)のもののほか意外に少ない.そこでくも膜のう腫の成因について文献的に調査した結果,腰部の手術では,小さな硬膜欠損の果す役割が非常に大であることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら