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文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
CT誘導による定位脳手術—脳内血腫除去手術への応用
著者: 伊関洋1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.663 - P.671
文献購入ページに移動I.はじめに
脳に対するpoint surgeryとして施行されている定位脳手術は,1947年Spiegel Wycis22)とにより,初めて発表されたヒト定位脳手術装置を出発点としている.その後,脳室撮影をもとにした種々の定位脳手術装置が考案され,これら装置を応用した定位脳手術は,機能的手術法の主力として,頑痛1-3,18).不随意運動16,21).てんかん13,14)などを対象とする治療法として発展してきた.一方,近年頭蓋内病変の局在や拡がりを的確に把握できるCT scan装置が開発され,特に脳神経外科領域での主な検査法として臨床応用されている.定位脳手術の分野でも,CTを用いて病変部位を正確に計測し,定位的にapproachするCT誘導による定位脳手術法が確立され,種々の病変に対する治療法として注目されている.
さて,CT誘導による定位脳手術は次の2つの方法に大別される.①手術の標的(target point)の計測のみにCT装置を用い,標的へのapproachは手術室で行う方法5-9).②従来の定位脳手術装置をCT用に改良したり,新たに作製してCT室においてCT scanを施行しながら手術する方法12,18)である.著者らの装置は後者の方法であり,Todd-Wellsの定位脳手術装置をCT用に改良したものである.本稿では,著者らの装置の概要とCTを用いたtarget pointの計測法について紹介し,高血圧性脳血腫症例での実際の手術手技について概説する.
脳に対するpoint surgeryとして施行されている定位脳手術は,1947年Spiegel Wycis22)とにより,初めて発表されたヒト定位脳手術装置を出発点としている.その後,脳室撮影をもとにした種々の定位脳手術装置が考案され,これら装置を応用した定位脳手術は,機能的手術法の主力として,頑痛1-3,18).不随意運動16,21).てんかん13,14)などを対象とする治療法として発展してきた.一方,近年頭蓋内病変の局在や拡がりを的確に把握できるCT scan装置が開発され,特に脳神経外科領域での主な検査法として臨床応用されている.定位脳手術の分野でも,CTを用いて病変部位を正確に計測し,定位的にapproachするCT誘導による定位脳手術法が確立され,種々の病変に対する治療法として注目されている.
さて,CT誘導による定位脳手術は次の2つの方法に大別される.①手術の標的(target point)の計測のみにCT装置を用い,標的へのapproachは手術室で行う方法5-9).②従来の定位脳手術装置をCT用に改良したり,新たに作製してCT室においてCT scanを施行しながら手術する方法12,18)である.著者らの装置は後者の方法であり,Todd-Wellsの定位脳手術装置をCT用に改良したものである.本稿では,著者らの装置の概要とCTを用いたtarget pointの計測法について紹介し,高血圧性脳血腫症例での実際の手術手技について概説する.
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