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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻7号

1984年06月発行

文献概要

症例

脳動脈瘤術後長期再発例の検討

著者: 鮫島寛次1 溝上徹1 牛久保行男1 佐藤隆雄1 吉井信夫1 野中博子2

所属機関: 1東邦大学大橋病院脳神経外科 2東邦大学第一病理学教室

ページ範囲:P.873 - P.881

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I.はじめに
 嚢状動脈瘤に対する手術法は根治的目的で柄部clip-pingが行われ,それが困難な症例に対して筋肉片などによるwrappingや合成樹脂によるcoatingが行われている.これら手術法の最近の遠隔成績は良好であり,確立された方法となっている.しかし,この手術の遠隔成績はmorbidityを中心としたものであり,処理された動脈瘤が長期間にどのように変化するか,あるいは再発することがあるか,などの検討は極めて少ない.1965年にMcKissock20)がclipPing後の再発例を挙げ,この方法がかならずしもpermanent cureでないとの警鐘を鳴らしている.著者らは現在までに根治手術後長期間を経て同一部位よりくも膜下出血を生じ,動脈瘤の再発であることが確認された3症例を経験し,これらの手術,剖検所見を検討した結果,再発防止の一助となる知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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