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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科12巻9号

1984年08月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

下位頸椎から上位胸椎にわたる後縦靱帯骨化症に対する胸骨縦割進入法による切除術

著者: 安井敏裕1

所属機関: 1大阪市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.1021 - P.1027

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I.はじめに
 後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament,以下OPLLと略す)は,1960年に月本18)が本邦における初の報告を行って以来,整形外科,脳神経外科,神経内科の各科で認識されるようになり,患者数は次第に増加している.しかし,本症の病因解明は未だ不十分で治療法の確立もなされるに至っていない.種々の保存的治療法によっても改善のみられない例に対して,1965年頃から手術的治療法が施行されるようになったが,当初は旧来の手術手技や機器を用いて椎弓切除がなされたため,手術成績は悲惨なものであった.その後,好発部位である頸部に発生したOPLLを中心に多数の手術経験がなされ,現在頸椎部のOPLLに対する手術術式としては,前方からのアプローチとして骨化巣を切除し前方固定1,7,10,11,16,17)を行う方法と,単に前方固定19)のみを行う方法とがあり,後方からのアプローチとしては椎弓切除術8)が行われており,一定の治療成績が得られている.
 一方,胸椎部のOPLLについては頻度が少ないこともあって,いまだその手術的治療法については十分に検討がなされておらず,開発途上にあるところである1,21)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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