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研究
超音波破砕吸引による血流ならびに脳神経機能への影響について—超音波ドプラ法と聴性脳幹反応による検討
著者: 小西常起1 森竹浩三1 武部吉博1 諏訪英行1 半田肇1
所属機関: 1京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.1069 - P.1075
文献購入ページに移動当初白内障の治療機器として開発された超音波破砕吸引装置は,1976年Ransohoffらにより脳神経外科手術にも有用なことが報告された3).この装置は強固な組織からなる腫瘍を主要血管を残して容易に吸引でき,周辺の健常組織をほとんど損傷することなく腫瘍を摘出できるとされていることから国内外を問わずすでに多くの施設で使用されている.しかし振動端子の熱発生の程度や超音波振動の周辺健常組織に及ぼす影響についての研究は充分でなく,脳神経外科領域では脊髄機能および坐骨神経機能に関する研究をみるのみで2,8),頭蓋内手術に関する報告は見当らない.そこで本稿では超音波破砕吸引装置を頭蓋内で使用した際,周辺の健常血管や脳・神経機能に及ぼす影響をドプラ血流計と聴性脳幹反応を使った動物実験の結果から検討した.
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