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伸びてゆく脳神経外科のために
著者: 井奥匡彦1
所属機関: 1近畿大学脳神経外科
ページ範囲:P.5 - P.5
文献購入ページに移動彼は日本が清国に勝ったことに驚くと同時に,後に及ぶであろう列強の重圧を危惧しながら,「日本はこのうえ雄志を伸ばして国家永生の偉業を達成する為には,そこに幾多の暗澹たる障害が横たわっていようが,視野を開こうとしない日本人は何等の怖れも疑いも抱いていない.恐らく将来の危機は,実にこの途方もない自負心にあるであろう」と語っている,その予言は当るべくして当ったのである.Hearnはさらに日本人の天性について「科学的な職能,たとえば医学,外科手術(日本ほど優れた外科医の居るところはない),化学,顕微鏡などの方面では生来の適応があり,既に世界にきこえるような仕事をしている.しかし天性に恵まれない方面では何一つとして目立つものがない」と語っている.
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