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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻10号

1985年10月発行

文献概要

研究

脳動脈瘤と内頸・椎骨脳底動脈系の形態的要素およびいわゆる血管奇形との関連性について

著者: 北見公一12 上山博康1 安井信之1

所属機関: 1秋田県立脳血管研究所脳神経外科 2市立札幌病院救急部脳神経外科

ページ範囲:P.1067 - P.1074

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I.はじめに
 内頸動脈(IC)系と椎骨脳底動脈(VB)系は後交通動脈(Pcom)を介して互いに交通している場合がほとんどで,Padget25)によれば剖検上Pcomが欠損しているのは3%であるという.しかし血管撮影上のPcomの形態は,embryonic typeといわれる発達したものから,血管撮影では造影されないものまでさまざまあり,Pcomの形態が内頸・椎骨脳底動脈系の血行動態に及ぼす影響は大きいと思われる.またIC系とVB系を連絡する異常血管として胎生期遺残血管が知られており,これらと脳動脈瘤の合併が多く報告されている1,6-8,10,17,22,24).VB系には発生学的に窓形成が多いことが知られており12,25,29,31),それらに脳動脈瘤が合併しやすいとの報告もみられる9,21,23).先にわれわれは,中大脳動脈における分岐形態ならびに奇形と動脈瘤との発生関連性を検討し,形態的要素および奇形のいずれも動脈瘤発生に直接及ぼしている影響は少ないと報告した16).今回は内頸動脈本幹,椎骨脳底動脈系について動脈瘤発生に形態的要素ならびに奇形がどの程度関与しているのかを検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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