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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻10号

1985年10月発行

文献概要

研究

急性期重症脳障害患者の予後判定—聴性脳幹反応(ABR)と瞬目反射(BR)による評価

著者: 河村弘庸1 天野恵市1 谷川達也1 川畠弘子1 能谷正雄1 伊関洋1 塩飽哲士1 長尾建樹1 平孝臣1 岩田幸也1 梅沢義裕1 喜多村孝一1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科

ページ範囲:P.1077 - P.1085

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I.はじめに
 近年,各種誘発電位の分析を指標とした重症脳障害患者における予後評価が盛んに試みられている.Green-bergら1-3)は重症頭部外傷の予後判定にmultimodality evoked potentials(MEPs)が有用であると報告している.しかしながら重症脳障害患者の急性期にこれら各種誘発反応を同時に,しかも経時的に記録することは種々の制約があり必ずしも容易でなく,Greenbergらが論述しているほど有用でない場合が少なくない.
 そこで著者らは,各種誘発反応のうちから,聴性脳幹反応(auditory braintem response,ABR)と三叉神経第1枝の電気刺激により誘発される瞬目反射(blink re-flex,BR)とを予後評価の指標に選び,それぞれ脳幹の異なる経路を介して形成されるこの2つの反応を分析することにより重症脳障害患者の急性期における予後評価がどの程度まで可能か,その有用性と限界について検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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