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研究
Pure shearing injury—23例の症状,診断,予後および文献的考察
著者: 池田公13 井口郁三1 権田隆実1 蟹江規雄1 橋詰良夫2
所属機関: 1大垣市民病院脳神経外科 2名古屋大学第一病理 3東海大学脳神経外科
ページ範囲:P.1313 - P.1320
文献購入ページに移動われわれ脳神経外科医は外傷患者の診察に当たり,その予後は外傷の瞬間に加わる衝撃の強さ,方向,部位により,ある程度決定づけられているという印象を常日頃心に抱いている.急性期のGlasgow coma scale(GCS)と予後とはよく相関しているという報告21)もこの印象の裏付けの1つである.外傷の瞬間に脳全体でみられる微細な変化は,古くからshearing injuryと呼ばれる損傷であり,外傷の基本となる一次変化にもかかわらず,一般的に治療の施しようがなく,あまり注意が向けられていない.shearing injuryの患者に局所的な脳挫傷,頭蓋内血腫を伴うことは多いが,shearing injuryのみによる一次効果を調べる目的で,血腫,浮腫など外傷の二次変化を合併しなかった23症例をpure shearing injuryの症例と診断し,症状,CT所見,検査所見,予後を調べ検討を加えた.
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