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研究
Superior facet syndrome—特にそのメトリザマイドCT所見について
著者: 久保和親12 五十嵐正至1 小山素麿1
所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2三重大学脳神経外科
ページ範囲:P.145 - P.150
文献購入ページに移動腰部脊椎管狭窄症を形態学的にみると2つに大別できる.第1は脊椎管の前後径が短縮し馬尾神経全体が圧迫されるもの(major type of lumber canal stenosis)22),第2は1ないし数本の神経根がlateral recessの狭小化のために絞扼されるものである.臨床上,前者は神経原性間歌性跛行を,後者は根性坐骨神経痛を主訴とすることが多い.後者に属する疾患としてはEpsteinら7)のいうsuperior facet syndrome, Arnoldiら1)の腰部脊椎管狭窄症,国際分類の"acquired stenosis, degenerative,peripheral portion of canals(tunnels)"などをあげることができる.しかし本邦においては,この種の椎間板ヘルニヤが関与しない根性坐骨神経痛の報告は極めて少なく一般にあまり知られていない.またlateral recessのCT像に関する報告もほとんどない.今回われわれは,過去5年間に経験したlateral recessでの神経根絞扼に基づく根性坐骨神経痛症例群についてそのX線学的知見を報告し,特にそのメトリザマイドCT6)(以下met, CTと略す)の特徴に関して詳細に検討したので報告する.
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