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研究
肺癌転移性脳腫瘍の治療成績の検討
著者: 野村和弘1 渡辺卓1 中村治1 渋井壮一郎2 高倉公朋2
所属機関: 1国立がんセンター脳神経外科 2東京大学脳神経外科
ページ範囲:P.159 - P.165
文献購入ページに移動転移性脳腫瘍の王座を占めているのが肺癌である.国立がんセンターにおける転移性脳腫瘍のうち肺癌よりの転移の占める割合は約50%6),全国統計調査でも42%となっている5).その治療成績については過去多数の報告がある1,10).しかしながら癌の脳転移は癌の進行過程における1つの現われであり,それが全身転移の症状の発現する前に脳に現われれば脳転移の予後は治療後比較的長期に生存できるし,全身状態悪化と平行して脳転移が出現すれば癌の末期の一症状として考えられ,予後は当然悪いことになる.したがって転移性脳腫瘍の治療成績を論ずることはなかなか難しい問題を含んでおり,これらを論ずるには転移性脳腫瘍治療時,あるいは癌の初期治療時におけるstageを含め,癌の進行の度合いなどが考慮されるべきと考える.
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