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研究
三叉神経痛に対するグリセロール注入法
著者: 五十嵐正至1 鈴木文夫13 岩崎孝一14 小山素麿1 梅田信一郎2
所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2京都大学麻酔科 3滋賀医科大学脳神経外科 4神戸神鋼病院脳神経外科
ページ範囲:P.267 - P.273
文献購入ページに移動三叉神経痛に対する除痛法として,脳神経外科領域では近年microvascular decompression法や,半月神経節のthermorhizotomy法が行われている8,11).1981年スウェーデンのHakansonは上記2方法とは全く異なる三叉神経槽内グリセロール注入法を発表した5),この方法による治療成績は,追跡期間2-48ヵ月,平均17ヵ月で,86%の完治率を示した.われわれの施設では三叉神経痛の治療に対して,当初は半月神経節のthermorhizotomyを行ってきたが,1982年2月以来,グリセロール注入法を三叉神経痛治療の第1選択としてきた6,7).1983年11月までに29名の三叉神経痛患者をグリセロール法により治療した.この方法についてはまだ報告例も少ないが,合併症が少なく,安全で治療効果も優れており,今後も発展してゆく治療法と考えられたので,上記29例の治療成績,合併症,技術的問題点につき報告したい.
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