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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻3号

1985年03月発行

文献概要

研究

脳動脈瘤と中大脳動脈分岐形態およびいわゆる血管奇形との関連性について

著者: 北見公一1 上山博康1 安井信之1

所属機関: 1秋田県立脳血管研究所脳神経外科

ページ範囲:P.283 - P.290

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I.はじめに
 中大脳動脈は他の脳動脈瘤好発部位に比べ,母血管の分岐様式が非常にバラエティでに富んでいる.この分岐形態と動脈瘤の発生頻度との関連を調べることは,動脈瘤の発生発育に母血管の形態学的要素が関与しているのか否かを解明する上で有意義と考える.また,いわゆる中大脳動脈奇形として,重複中大脳動脈(dtlplication,Dup.と略),副中大脳動脈(accessory, Acc.と略),中大脳動脈窓形成(fenestration, Fen.と略)などが知られているが,近年それらの"奇形"と脳動脈瘤との合併が多く報告されている1,2,7-9,14-16,18,20,23,27,28).そこでこれら奇形が動脈瘤の発生しやすい条件となっているのか否か,つまりこれらが何らかの胎生期過誤を伴う真の意味での奇形なのか,あるいは単なる稀な分岐形態の1つなのかを究明し,これらの奇形の病的意義を明らかにすることが必要と思われる.われわれは今回,脳動脈瘤と診断のついた症例を母集団とし,その脳血管撮影より中大脳動脈分岐形態および中大脳動脈奇形を検索し,いままでにないduplicationとaccessoryの同側合併という稀な奇形(分岐形態)を報告するとともに,脳動脈瘤発生に及ぼす分岐形態および奇形の影響,奇形の意義ならびに形態学的位置付けについて検討し,若干の文献的考察も加えてここに報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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