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研究
メトリザマイドCTによる正常頸部脊髄の計測
著者: 鈴木文夫1 小山素麿1 相井平八郎2
所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2大津市民病院脳・神経内科 3滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.391 - P.396
文献購入ページに移動脊髄の解剖学的計測値については今世紀の初めより多くの報告がある.成人では長さ43-45(正常限界40-45)cm,身長の1/4弱で,頸部,腰部に膨大部をもつ.その断面の形状は一定でなく,レベルにより大きく異なる.C6の前後径は9mm,横径は13-14mm,T6の前後径8mm,横径10mm,L3の前後径8.5mm,横径11-13mmなどは臨床解剖上よく知られた数値である12).生体内でこれらの形状,大きさを知ることはCTの出現までおよそ不可能であったが,1970年代末までに椎体,脊椎管のCT解剖はHammerschlagら5),Leeら9),Sheldonら14),Coinら1)により研究され,さらに1980年代にはHarwood-NashとFitz6)は成長期の変化にも注目し,今日ではすでに完成の域に達したと思われる.しかし,脊椎管内の軟部組織はC1-C2のレベルを除いて硬膜外脂肪組織に囲まれた"homogenous density"とみなされ,メトリザマイドCT-myelograplly(以下met.CTと略す)でなければその画像は診断的価値はない2).
met.CTの導入以来,脊髄,神経根糸,馬尾神経,終糸におよばず,前後脊髄動脈までも明らかにされてきている16).
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