文献詳細
文献概要
症例
小脳出血救命後の中枢性肺胞低換気症—横隔膜ペーシングによる1治験例
著者: 山本直人1 岩間満1 浅井堯彦1 斎藤清1 加納道久1 新谷彬1 保浦賢三2 安間文彦2
所属機関: 1名古屋第2赤十字病院神経病センター脳神経外科 2名古屋大学第2外科 3名古屋大学脳神経外科
ページ範囲:P.451 - P.456
文献購入ページに移動1962年,Severinghause20)は呼吸中枢障害に由来する中枢性肺胞低換気症を報告し,覚醒時にさえ無呼吸になる症状をOndine’s curseと名づけた.それはその名が示すように自意識のない睡眠時にあたかも呪いをかけられたように箸しいapneaに陥る病態をいい,このため患者はときに死亡する場合もあると述べている,また死に至らぬまでも,患者は肺胞低換気症のためhyperca-pnea, hypoxiaとなり,種々の合併症に悩まされ長期の人院治療を余儀なくされる.
今回,われわれは激症型小脳出血を手術的に除去,救命し得た患者に合併した中枢性肺胞低換気症に対し,Glenn5-7)らが開発した横隔膜ペースメーカーを用い良好な結果が得られた1症例を経験した.
掲載誌情報