icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻4号

1985年04月発行

文献概要

症例

頸部および頭蓋内脳主幹動脈閉塞急性期症例に対するウロキナーゼ局所持続動注の経験—再開通により著効を呈した1例を中心に

著者: 荒木攻1 松永守雄1 小林修一1 山口研一郎1 新宮正1 藤田雄三1

所属機関: 1倉敷中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.465 - P.471

文献購入ページに移動
I.はじめに
 閉塞性脳血管障害急性期症例に対する保存的療法としてUrokinase(UK)による線溶療法が広く行われている.しかし,血栓溶解を目的として行う限りにおいてはこれがまず血栓部に高濃度に持続して血栓に広く接触することが最も重要であるので,このためには従来の多くの報告にみられる経静脈投与法などに比べて,観血的保存療法とでもいうべき局所持続動注法のほうがより効果が期待できると考えられる.この方法により再開通が得られれば,本来の生理的血行が回復され,bypass手術,塞栓除去術,血栓内膜剥離術などよりも非侵襲的で,かつ脳血管写で閉塞部位が確定すれば直ちに開始できる利点がある.
 われわれの施設では最近,症例を選択して局所持続動注法を5症例に対して試みたが,今同は著効を呈した左頸部内頸動脈閉塞症例を中心に文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?