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症例
外転神経麻痺で発症した三叉神経鞘腫の2例
著者: 加藤甲1 角家暁1 江守巧1 郭隆璫1
所属機関: 1金沢医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.555 - P.560
文献購入ページに移動三叉神経鞘腫の発生頻度はSchisano and Olivecrona13)によれば頭蓋内腫瘍5,727例中の0.2%と報告され,聴神経腫瘍との比率は約97対3である.初発症状は50%以上が顔面の知覚鈍麻,疼痛など第Ⅴ脳神経障害で発症するが1,2,13,14),外転神経麻痺で発症するものは稀で,著者らの渉猟しえた限りでは,過去6例の報告をみるにすぎない5,6,8,12,14).著者らは外転神経麻痺で発症し,その後の経過中も他の症状がほとんどみられず,術前診断が困難であった三叉神経鞘腫を2例経験したので,外転神経麻痺の発生機序に対する考察を加えて報告する.
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