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症例
超未熟児の脳内出血後水頭症—外科的治療とSonographyによる追跡
著者: 森本一良1 住田裕2 前山昌隆2 最上平太郎1
所属機関: 1大阪大学脳神経外科 2大阪府立母子保健総合医療センター周産期第2部
ページ範囲:P.571 - P.576
文献購入ページに移動近年,NICU(Neonatal Intensive Care Unit)の開設とともに,死亡率の高かった低出生体重児(未熟児)の多くがneonatologistによりその幼い生命を救われている.低出生体重児の管理は日々進歩し,過去の医学的常識では到底想像のできなかった1,000g以下の超未熟児が,現在では生存しうる状態となっているが,これらの新生児は万全な管理のもとでも肺硝子様膜症と頭蓋内出血の発生率が非常に高い.しかし,neonatologistのあくなき努力はこれらの合併症をもつ患児を生存可能とし救命しえた患児の脳内出血後水頭症が脳神経外科の治療対象となりつつある,私たち脳神経外科医はこれらの1,000g以下の超未熟児の脳内出血後水頭症に対して,従来行ってきた水頭症治療と違い,数々の困難に直面する.
その1つは,重篤な全身状態を考慮すればCTスキャン検査室への移送ならびに検査中にintensive careを中断するためCTスキャンを頻回に施行しがたく,ベッドサイドでより手軽な検査法が必要なことと,第2に,1,000g以下の超未熟児の水頭症に対する髄液排除の困難さである.
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