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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻6号

1985年06月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

内頸・眼動脈瘤の手術—特に対側からのアプローチ

著者: 菊池晴彦1 光木徹2

所属機関: 1国立循環器病センター脳神経外科 2大阪医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.601 - P.605

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I.はじめに
 眼動脈起始部近傍の内頸動脈に発生する内頸・眼動脈瘤は頭蓋内動脈瘤の1.5-8.0%4,6,10,11)と比較的稀な動脈瘤である.しかし,内頸・眼動脈瘤は頭蓋底に位置し,前床突起,視神経,海綿静脈洞に近接するため,直達手術は手術用顕微鏡の発達した今日でも,必ずしも満足すべき結果が得られていない10,21).それは前述の解剖学的理由のため,前床突起および遠位内頸動脈,視神経により視野が妨げられ1,2),広い視野を得ることが困難なことと,頭蓋内で近位内頸動脈の確保が困難なためである.したがって,比較的稀な動脈瘤であるにもかかわらず,手術方法に関する多くの報告がみられている.
 現在,脳動脈瘤の根治手術はneck clippingであることには異論のないところであるが,内頸・眼動脈瘤はその解剖学的特殊性から,neck clippingi1,4,6,20)の他,coating,内頸動脈結紮術1,10,21)あるいはtrappingといった手術法が選択されることがある.一般に,内頸・眼動脈瘤に対する直達手術pterional approachにて行われるが,内頸・眼動脈瘤および近傍の内頸動脈の露出には前床突起の削除6,17,23),視束管の開放6,8)が必要な場合が多く,また視神経の一部を切断2)する必要があったという報告もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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